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ホルモンと神経伝達物質の違い

人体の分泌腺は、汗や消化物のように体外へ排出する外分泌と、血流を介して全身に送られる内分泌に分かれているが、体外に排出されない分泌物の総称をホルモンと呼ぶ。ホルモンという言葉は古代ギリシア語の horman (刺激する、興奮させる)に由来する。

反面、脳内物質は脳の神経細胞が互いに通信するために利用する神経伝達物質のこと。脳に向けて排出する分泌腺は存在しないので、ホルモンと脳内物質が混ざることはない。また、ホルモンと比べて、少量で、高速で、近距離にしか伝わらない特徴がある。

これらは用途によって呼び方が変わるものなので、物質が同じ場合もある。同じドーパミンでもシナプス間の通信に使われれば「神経伝達物質」で、血液に流れれば「ホルモン」となる。

おそらくだが、生物的な部分に作用するほうがホルモンで、感情に作用するほうが神経伝達物質だろう。例えば前者はオキシトシンによって母乳の分泌を行い、後者は抗ストレス作用を得る。