失うものがない無敵の人にはどんな倫理観も響かない
首相暗殺から始まって、YouTuber刺殺や党首殺害未遂など暴力に訴える人が目立つようになったなと思う。YouTuberの件は、手段としては間違っているのだけど、加害者は裁判を起こして支払いを命じる判決を得ているし警察にも相談しているので、やるべきことをやって救われないなら無理もないと思った。
将来に希望がないとか世間に期待できなくなった人が凶行に走るのは、個人の意見だけど如何に理屈が通ろうと止められないと思う。実際に今困っている人は視野狭窄しているし、まず自身の安定があってはじめて周囲に気が向くものなので、そこを補えなければ無理だろう。そうして現代のSNSは容易に正義感などの感情を振りかざせるようデザインされているという言説もあって、過激化しているのかもしれない。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」に対するニーチェの答えが「すごい」と騒がれているが、実はもっとぶっ飛んですごいを読んだ。記事の内容にはあまり同意できないが、効果がないことをうまく表現した文があったので引用。
自分がいつ死んでもよいと思っている者に対して、いかなる倫理も無力であることを、それが教えてくれるからである。