なぜ性別が別れているのか
一つの個体にオスとメスの機能を持っていることを雌雄同体といい、別の個体が持っていることを雌雄異体という。ある程度大きな生物のほとんどは雌雄異体をとるが、それはなぜか。
小さい個体が無性生殖すると、基本的には同一の遺伝子が複製されていくが、1日に数十回と分裂の回数が多いし、短時間で元の大きさまで成長するので突然変異によって遺伝子が変化する確率が高い。なので速い速度で環境に適した進化をしていくことが可能になる。
しかし大きな個体では元の個体と同じ大きさまで成長するために数年から数十年かかってしまうし、分裂の回数も少ないのでそれでは遅すぎる。また細菌やウイルスが速い速度で進化するのに対して、生物がそれに免疫が追いつかない状態となってしまうとエネルギー不足で繁殖効率が下がるので困る。そこで異なる個体の遺伝子を組み合わせれば強制的な変異を起こすことができるので、そのようなシステムになっている。
また、オスとメスに分かれているのは配偶子の「栄養を蓄える」と「数が多く移動能力がある」を両立できないため役割が与えられたため。生存確率を挙げるためには栄養が多いほうが望ましいが、栄養が多ければ移動速度が落ちるし数を打てない。そこで役割を変えて、大きく栄養のある方を卵子、小さく多く移動できる方を精子とした。
雌雄同体なら両立できるようにみえるが、個体のリソースには上限があるのでオスまたはメスに特化した個体に勝てない。現在雌雄同体の生物はどれも移動能力に難がある。動画のテーマである植物も、移動能力は皆無なのでそうなる。