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人間の脳は知識を創発するためにまず記憶が必要

学習に関する書籍を読むに、人間はまず記憶が先にあって、そのいろいろな記憶が他の記憶と後日結びつくことによって知識が創発されるらしい 記憶を経由せず知識が創発されることはない、ある記憶が他のどの記憶に結びつくかは事後的にしかわからないとすると、AI との共存も考えるところがある

「AI ができるから自分はやらなくていい」を選択するということは、それをしていたことによって得られた記憶を手放すことになり、結果、それがその他の記憶と結びついて知識が創発される機会を逃すことになる、とも言える

創発によって身体化された知識と、ただの情報には大きな隔たりがあるのに、人々はただの情報というもののに価値を置きすぎている 「いざとなったら “情報” を AI から引き出せばよい」という姿勢には私はあまり賛同したくない

AI で何かがなくなるとか AI でもう何かを覚える必要がなくなるみたいな話をするたいていの人は「(自分がその領域の勉強したくないから) そうなって欲しい」という願望と、実際にそうなりそうだという蓋然性の話を切り分けられてない

あんたが怠惰がゆえにそうなって欲しいと無意識に抱いている願望には、こちらは興味はないんだ

こういう話をする人たちは情報の価値というもを高く見積もりすぎている。情報があれば即問題が解決するとでも思っているのだろう レシピがあれば料理の技術がいらないとでも思っている 記憶に経験や実践、文脈が伴って身体化されたされたものこそが知識であり、情報それ単独の価値は低い

AI によって生産性がブーストされるのは、基本は素人ではなく専門家のほう